――杏樹Side――



この事件の始まりは10月某日。



ちょうど…雑鬼達に、お弁当を食べるのを止められて、

“青酸カリ”が

検出された一週間後くらいだった。




その日はいつもより早めに帰宅した。

家の中に入り、リビングの扉を開けると――…



「え………?」



意外な人達が集まっていたの。




陸のご両親と咲さん。

柚莉のご両親、松沢理事長。

そしてうちの家族―――…。



総勢9名がリビングのソファーに腰掛け…お茶を飲んでいた。




「杏樹、話があるからそこへ座りなさい」



じいちゃんに促され、近くのソファーに腰を下ろす。




それまでは


和やかなムードでお茶をすすっていたのに


急に全員の表情が真剣になった。