テーブルの上に置かれたカップには、砂糖もミルクもなかった。



「ねぇ………なんでないの?」


隣に立つメイドに、カップの皿を指差すながら聞いてみる。



「……陸様はブラックしかお飲みにならないでしょう?」


笑うこともなく、無表情なままで返してくるメイド。

もうちょっと愛想があっても良くないか?



「それとも…角砂糖10個にミルク5杯を入れた甘々カフェオレがよろしいなら、作り直して参りますが?」

「………い…いらない」

「では、ブラックでお飲み下さい」



このメイド…………怖っ!!


甘いモノが嫌いな俺は、そのカフェオレを想像しただけで身震いがきた。



「………クスッ……」

「あ……笑った………」