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「申し訳ありません。もう少し支度に時間がかかります」

「―――そうですか」



楠家に着いたのは良いが、主役の妃芽お嬢様の支度が終わっていなかった。


まだまだ掛かるらしい……。



「陸様はお庭でお茶でもされたらいかがですか?」

「………ありがとうございます」



親父達は楠社長と色々話すことがあるみたいで、屋敷の奥へと入って行った。



あの若いメイドに連れられて…
屋敷の庭へと案内される。


「こちらにおかけ下さい」


メルヘンチックな白いテーブルと椅子。

楠家の趣味って―…絶対俺には合わないと思った。




数分後……。



メイドがトレーにコーヒーカップを乗せ運んでくる。