「陸君、妃芽、君達を正式な婚約者同士としよう」


「二人ともおめでとう!」


両親から拍手が贈られる。



「私もこんなに綺麗なお嬢さんをいただけるなんて、嬉しい限りですよ」


「いえいえ、私達の方こそ陸君の元へ嫁に出せるならば悔いはありませんよ」


「早く孫の顔が見たいですね?」

「最初はどちらが良いですか?」

「まぁ…あなた、気が早いわ。まずはどこで式を挙げるかでしょう?」


「そうだなぁ……妃芽さんのお好きな場所ではどうかな?」


「まぁ祥お父様…よろしいんですの?」


「なあに、一度きりの晴れ舞台だ。可愛い嫁のためなら、なんでもするよ」


「ありがとうございます。陸さんはどこか希望はおありですか?」


「・・・・・・。」



頭が追いついて行かない。