――陸Side――
11月の終わり。
杏が死んで半月が経った。
「………俺人形みたいだな」
最近の生活を思い出すと“人形”ってものがピッタリくる。
朝何となく起きて、重い体を引きずり学園へ行く支度をする。
HRだけに出て、あとは西棟で一日を過ごす。
朝も昼もメシは食わなくなったけど、夕飯だけはこの頃食べるようになった。
食べる理由は、唯一味がするから。
朝メシも昼メシも、食ってもまったく味がしない。
砂を食べているような感覚になるため、一切食べない。
何故か夕飯だけは、きちんと味がして『美味い』と思える。
………杏の手料理の味と同じなんだ。
あの夕飯だけ、杏の味がする。
11月の終わり。
杏が死んで半月が経った。
「………俺人形みたいだな」
最近の生活を思い出すと“人形”ってものがピッタリくる。
朝何となく起きて、重い体を引きずり学園へ行く支度をする。
HRだけに出て、あとは西棟で一日を過ごす。
朝も昼もメシは食わなくなったけど、夕飯だけはこの頃食べるようになった。
食べる理由は、唯一味がするから。
朝メシも昼メシも、食ってもまったく味がしない。
砂を食べているような感覚になるため、一切食べない。
何故か夕飯だけは、きちんと味がして『美味い』と思える。
………杏の手料理の味と同じなんだ。
あの夕飯だけ、杏の味がする。


