その日の夕飯は………
「ごちそうさま………」
あれほど口をつけなかった料理をキレイにすべて平らげられた。
『皆さん、わたくしが陸さんへの食事を作ったことは秘密にして下さい。………なるべく毎日作りに来ますから………』
“わたくしが作ってるとバレて、食べなくなってしまわれたら大変ですからね?”
「よろしくお願いします」と頭を下げて、その方は帰って行かれた。
「あの方に……毎日作りに来ていただけるなら、陸様が食事を取らないということにはならないだろう」
「そうですね…………とりあえずホッとしました」
陸様は毎日…その方が作られた料理だけ、口にした。
だが、陸様は家のシェフが作ったとしか思われていない。
そのまま2週間が過ぎた――。