だからもちろん、男に不自由したこともなかった。

例えば彼女がいる男でも、そんなの関係なく――…。

ほとんどの男は、わたくしが少し優しくするだけで簡単に手に入った。



罪悪感なんてない。

それがわたくしにとって当然だもの。




そんな時だった。


あの『滝本陸』に出会ったのは。



会場に入った瞬間に目を奪われた。


他と比べものにならない程―――……綺麗な男。



『あの男の子が陸様だよ』


お父様に教えてもらわなくたって直感でわかっていた。



あの綺麗な男が…将来滝本財閥全グループを背負う『滝本陸』だということを―――。



同い年のはずなのに、大人びた容姿とまわりの空気。


わたくしは陸様に見とれてしまった。