文化祭の片付けも済み、生徒達が下校を始める頃……陸を西棟に呼び出した。


7時からは、クラスの打ち上げが入ったから簡単に用件を済ませなきゃ…。



「どうした?」

陸が窓枠に腰掛け、小首を傾げながら問い掛けて来る。


「えっとね……明日から3日程、ちょっと出掛けて来るね?」

「は?どこに?」

「九州まで」

「旅行か?」


フルフルと顔を横に振り、続けた。


「ううん、仕事。大髑髏の妖怪が出て暴れてるから退治して来いって。じいちゃんの命令なんだ」

「そっか……一人で飛行機と電車に乗れるのか?」

「乗れます!!」

キッと睨み付ける。


まったく……子供扱いして!!



しかし―…陸は心配な様子で…。


“現地のポイントに着いたら連絡するように”と勝手に決められた。