地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ

小さく頷き、陸の隣に戻った。

一斉に彼女達の視線が、あたしに向けられる。

しかし、陸はお構い無しで……あたしを腰から引き寄せてニッコリ笑い、頭を撫でられた。


「この子にはかなわないよ」

「レベル高すぎ…」


ブツブツ言うと、彼女達は去って行く。




「……ったく。なんで離れるんだよ」

「…………ごめんなさい」

「杏のことだから…“あたしなんかが”って思ったんだろ」


陸さん…ピタリ賞です………。


「バーカ…俺の女は杏だろーが。なんでたかがナンパして来た女に気使うんだよ」


ポンポンと頭を撫でられて『堂々としてろ』と言われた。



ギューっと抱き着きたいけど…、周りには大勢の人がいるため我慢する。



だが、次の瞬間。

「次のお客様どうぞ」


ジェットコースターのことを忘れてて……一気にまた恐怖のどん底に落とされる羽目になった。