陸が『一緒に住まないか?』と言った理由は……
この時はわからなかった。
「……でも、最近結構お昼寝するよね?」
学園でも家でも…昼間に寝ることが多くなった。
一学期に比べたら、時間がかなり違う。
「仕事忙しいのかなぁ……?」
時間があれば、あたしに触れて来るし……最近イチャイチャし過ぎってくらいだ。
触れて来る時は、壊れ物を扱うみたいに優しい。
存在を確かめるみたいな行為で、あたしを見つめる目はどこと無く悲しそう。
『………杏がいねぇと悪夢ばっか見る』
悪夢ってなんだろう?
相変わらず、あたしにくっついて眠る陸を上から見下ろした。
この日から、陸の言う“悪夢”へのカウントダウンは始まっていたんだ。
…………『ずっと傍にいる』って約束したのに。
やぶってごめんね………。