地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ


あたしの顔は真っ赤です。


「陸……言い過ぎ………あたしが恥ずかしいよ」

「そう?天然鈍感無自覚無防備の杏には、これくらい言わなきゃ分からなさそうだしな」


クスッと笑ったその顔は、あたしを悩殺するには充分だった。



さらに赤くなる顔を見られたくなくて…陸の肩に乗せる。


僅かに陸から漂う甘い匂いが、少しずつ顔のほてりを冷ましてくれるみたいだった。



あたしの腰にまわされた手は、いつの間ににか…あたしの手と繋いでて強く握りしめられる。



「手繋いだの久しぶりだね…」

「だな………花火大会以来か?」

「うん………やっぱりあたしは我が儘みたい」

「なんで?」

「……陸が女の子にベタベタされるとヤダ、たとえ挨拶でもチュウされるのはイヤだもん」


“あたしだけがいい”と続けた。