あたしの顔は真っ赤です。
「陸……言い過ぎ………あたしが恥ずかしいよ」
「そう?天然鈍感無自覚無防備の杏には、これくらい言わなきゃ分からなさそうだしな」
クスッと笑ったその顔は、あたしを悩殺するには充分だった。
さらに赤くなる顔を見られたくなくて…陸の肩に乗せる。
僅かに陸から漂う甘い匂いが、少しずつ顔のほてりを冷ましてくれるみたいだった。
あたしの腰にまわされた手は、いつの間ににか…あたしの手と繋いでて強く握りしめられる。
「手繋いだの久しぶりだね…」
「だな………花火大会以来か?」
「うん………やっぱりあたしは我が儘みたい」
「なんで?」
「……陸が女の子にベタベタされるとヤダ、たとえ挨拶でもチュウされるのはイヤだもん」
“あたしだけがいい”と続けた。


