地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ

高い高ーいの状態のまま隅っこから移動し、準備室にしては、豪華でゆったりとしたソファーに座らせられる。


「……なんで上?」

「杏が逃げないように」


ニコニコ笑って、あたしを陸の足の上に乗せ…腰にしっかりと腕をまわした。



「楠のことは何とも思ってねぇし。あの女が言ったことは、全て出まかせ」

「…………。」

「多少、杏に対する去年のウサ晴らしだろ」

「………去年?」


楠さんと会ったことあるっけ…?

あたしの顔を見て察したのか、陸が教えてくれる。



「去年の夏頃、楠財閥のパーティーに行っただろーが」

「…………あ。思い出した」


ちょっと意地悪されたから、語学力で勝負したやつね。


あたしの大勝利だったけど。