「……陸?どうかしたの?」
「杏の天然って、ご両親のどこから来たんだ?」
「天然じゃないし。」
「いや、天然で鈍感だから」
きっぱりと言われ、ブーっと頬を膨らませる。
天然じゃないし、鈍感でもない!!
絶対に!!
「……結婚のことは置いといて。
そろそろ杏樹に話さないと行けないな」
「そうね、もう高2だもの。来年は受験生になるし…話しましょうか」
両親がコソコソ話をやめて、あたし達の方を向いた。
「杏樹。神崎家には、二つの秘密がある。知ってるか?」
「へっ?二つ??」
突然問い掛けられ、戸惑う。
二つ?
ひとつは、安倍晴明の血を引く陰陽師ってことでしょ?
家族代々陰陽師だもんね。
もうひとつ?………わからない。
「陰陽師ってことと……あとひとつは?」


