コツンと額を合わせて、ニコッと微笑まれた。



「……あぁ」

承諾すると、「やった♪」と小さく喜ぶ。




でもホントは、俺の部屋に閉じ込めてしまいたい。

どこにも行けないように。奪われないように―…。





「今何時?」

「11時前だよ」

「結構寝てたんだな…」

「だね。…ご飯作ったけど、食べれる?」

「食べる」



そう返すと、着替えて来るように言って、部屋を出て行った。



浴衣から私服に着替えて、杏が待つリビングまで行く。



まだ着かないのに、いい匂いが漂って来た。



「和食だけど大丈夫?」


白ご飯を茶碗によそいながら杏が聞いてくる。


テーブルの上には、

鯖の塩焼きに…卵焼き、おあげと大根、玉ねぎのみそ汁。


日本の朝ごはんがあった。