――陸Side――


「………ん………」


暖かいというよりは暑い日差しが顔に当たり、目が覚めた。


目を開けるといつもと天井の景色が違う。



「…あー…杏ん家に泊まってたんだっけ?」




なら、隣に杏いるよな?


顔を横に向け、まだ寝ているであろう彼女の寝顔を見た。



…………居ないんですけど。



「トイレか?」


布団を触ってみるが、冷たい。



「どこ行った…?」


起き上がり部屋の中を見渡すが、杏がいる気配はない。




…………ドクン…ッ



あの悪夢が脳裏をよぎる。





「杏……………?」


名前を呼んでみても返事はなく…俺の声が部屋に響くだけ。




「昨日は珍しく見なかったのにな……」


頭を手で押さえ、下を向いた。