軽く触れるだけだったものが、次第に深く長いものになった。


「もっかい…………」


陸の浴衣を握りしめ…甘いキスを何度も繰り返す。

それは、敷布団に寝かせられても終わることはなく……浴衣の中に手が入って来てもやめない。


むしろ、やめてほしくなくて……『もっと』と思った。




シュル…と帯を解く音がした後、首筋、鎖骨、胸の谷間に舌を這わされ…熱い吐息が零れた。



「杏ってさ……桃みたいに甘いカラダしてるんだよな」

“名前は杏(アンズ)だけどな?”と続けて言われる。


「それ…っ…褒めっ…てるの?」

「褒めてる」



そう言うと、また甘いキスを体中に降らせた。






陸とあたしだけしか家には居なくて、家の周りは静かで、二人の息遣いしか聞こえない。



その夜は―…飛びっ切り甘い夜になった。