「やった」と小さく喜び、障子を開けて中に入った。

障子を閉めた後…枕を握ったまま両手を広げている陸に思いっきり抱き着く。

陸の腕があたしの背中にまわり、抱きしめ返された。


「チワワ杏ちゃん」

体を左右に揺らしながら、クスクスと陸が笑う。


「なにそれ?」

「甘えん坊の杏ちゃんってこと」

「???…意味わかんないけど、まぁいいや」


スリスリと胸に顔をうずめると陸の匂いがしてなんだか安心した。



さらにギューっと抱き着く。



「ホント、猫とチワワの切り替えが上手いよな…」

「スイッチボタンないよ?」

「天然だからあるんだよ」

「……どういうこと?」


胸から顔を離して陸を見上げた。




「わかんなくていい」


フッと笑って、口づけされる。