着替えを済まして、部屋に戻る。


時刻は10時前―…。

陸……お腹空いてないかな?

何かつくろっかな……。


「陸〜お腹空いてる〜?」


ガチャとドアを開けて、部屋の中にいる陸に聞いてみた。


「あ〜…ちょっとな………!?」


あたしを見た瞬間……目を見開いて固まる。

そして一瞬だけ………悲しそうな表情になった。



「杏……ちょっと来い」



手招きされて近寄ると、思いっきり抱きしめられる。


「……っ………」

「どうしたの?陸…?」

「………っ……服……」

「このワンピがどうかしたの?」


何も答えずに、ただ抱きしめてくる。

昼間と一緒だ…。悲しそうな顔も、怯えるような仕草も。