う゛〜……やっぱり似合ってないんだ…。

去年みたいな黒い浴衣に、しておけばよかったかも…。


がっくりと肩を落とす。


「…………浴衣脱いで来るね」


陸の腕の中から出て、もう一度家の中に入ろうとした。



「なんで脱ぐんだよ?似合ってんのに」

グイッと手を引っ張られ、また腕の中におさまる。



「だって…連れて歩きたくないって言ったじゃん!!」

キッと睨み付けて、陸を見上げた。



「はぁ…………」

「なんで陸がため息つくの?」

「ホント……天然鈍感無自覚無防備娘だよな」

「はい?どこが??」

「…………もう行くぞ」



無言で見つめられた後……呆れ返ったように笑って、あたしの手を引き…歩き出す。