「………ッ……!?」


パッと目を開けて、起き上がる。


着ていた服にシーツ……全てが、汗びっしょり。



「夢………だよな……」


額にピタリとくっついている髪をかき上げた。




ベッドから起き上がり、小さめの冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出す。



一気にそれを飲み干し、空をごみ箱へ放り投げた。




目覚まし時計を見ると、午前3時過ぎ…。


もう一度寝る気分にはなれず…、ベランダへ出た。


季節は、蒸し暑い夏。


高校生活二度目の夏休みに入って…数週間が過ぎている。



去年とは違い、杏という彼女が出来たので…休みの日は、出掛けるように心がけているのだが………


最近…気づいたのが、

『杏には、欲がない』ということ。