フラフラしながら、椅子に座る陸に冊子を持って行く。

デスクの上に置いた瞬間―…

「お疲れ様。よく頑張ったな?」


フワッと抱き抱えられて、膝の上に向き合う状態で座らせられた。


「あれ?抵抗しないんだ?」

「する体力もないよ……」

ぐったりと陸の胸に寄り掛かる。


秘書課の皆さんは、全員帰宅してるし…この最上階にいるのは、あたし達だけ。


窓からは、綺麗な夜景が一望出来るけど…見る気力もない。


陸が、あたしの長い髪をまとめていた…くちばしクリックを取り、撫で下ろした。



「杏の家には、連絡入れてあるから」

「ん………ありがとう」


多分…遅くなるってことだと思ってたら…。


「『今日は、家には帰りません。滝本の家に泊まらせますから』ってな?」

「………!?」


はいィ〜〜〜〜!?