簡単な一言なんだけど……言うのは、恥ずかし過ぎる。



「杏？」

「…………ッ……」


後ろから回された腕で、あたしの体をクルリと回転させる。

陸と向き合う状態になり……目が合った。

あたしの口からは言えないから…ギューッと抱き着いてみる。


「杏ちゃん……胸当たってる」

「………知ってるよ」


「はい!?……まさか…誘ってねぇよな……？」


「………ッ……//////」


耳まで真っ赤に染まった。


「杏…シたいわけ……？」


「………うん……」



あたし……陸に抱かれたいんだ…



陸の指先を握り、あたしから唇を重ねる。



「ちょっ……杏ちゃん!?」


突然の展開に、焦り出した陸…。