地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ

雑鬼から視線を外し、上を見上げる。



「杏…」

「なにやって………!?」

座り込んでいる俺に目を向けた瞬間、杏が目を見開いた。


えー……雑鬼がいるからな。


「…なるほど。アンタの仕業ね」


杏の周りの温度が氷点下になったような気がする。


『なんでっ……神崎一族がここにいるんだよ!?』

「・・・・・(怒)」


無言の杏樹ちゃん……怖い。

めちゃくちゃ睨み付けてる。


『なんでそんなに怒んだよ!?“たかが”ちょっと霊力のある人間だろっ…!』

「……たかがァ〜?」

『ヒィっ…!!』


氷点下に加え……雷鳴まで轟き出した。



『許してくれっ……ちょっとした悪戯だろ??』

「・・・・」

『頼む…神崎っ……!』

「問答無用」


パチンっと指を鳴らした瞬間…

雑鬼の体が木っ端みじんに弾け飛んだ。