いってぇ………
またかよ……もう何度目だ?
生暖かくて赤いモノが、ポロシャツを伝う。
『わ〜い♪避けきれないなんて馬鹿な人間だよな』
・・・・・(怒)
ベェ〜と舌を出して、俺の周りをぴょんぴょんと飛び跳ね回った。
この野郎……!
「陸様っ…!」
「イヤァ……血がっ……」
「大丈夫か?滝本っ!?」
周りの奴らが、声を掛けてくれるが…俺の脳内は、目の前の雑鬼に対する怒りのみ。
アイツ……俺に包丁を投げ付けやがった。
藍鬼くらいの小さな雑鬼。悪戯っ子らしいようで、俺で遊んでいる。
『ケッケッケッ…バーカバーカ』
気味悪い笑い声を上げた。全く可愛いげがない。
「陸っ………!」
人一倍慌てた声が聞こえた。


