地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ


いってぇ………

またかよ……もう何度目だ?


生暖かくて赤いモノが、ポロシャツを伝う。


『わ〜い♪避けきれないなんて馬鹿な人間だよな』


・・・・・(怒)

ベェ〜と舌を出して、俺の周りをぴょんぴょんと飛び跳ね回った。


この野郎……!



「陸様っ…!」

「イヤァ……血がっ……」

「大丈夫か?滝本っ!?」


周りの奴らが、声を掛けてくれるが…俺の脳内は、目の前の雑鬼に対する怒りのみ。


アイツ……俺に包丁を投げ付けやがった。

藍鬼くらいの小さな雑鬼。悪戯っ子らしいようで、俺で遊んでいる。


『ケッケッケッ…バーカバーカ』

気味悪い笑い声を上げた。全く可愛いげがない。






「陸っ………!」



人一倍慌てた声が聞こえた。