陸が示す方をあたしも見た。

ビーチにぽつぽつと顔を赤らめた男子生徒達がいる。



「あの人達が見てるとは、限らないじゃない?…あたしに興味を持つなんて、相当変わり者だよ」


クスクスと笑って、おでこ同士をくっつけた。



「じゃあ…俺って変わり者?」

「うん。閻魔大王様だしね。」

「…またここで放り投げてやろうか?さっきので目は覚めただろ」

「イヤ。今したら…キスしてあげないからね」


フンッと顔を背ける。

目を覚まさせるなら、別の方法もあったでしょ?

なんで海で手を離すのよ!!



「別にしなくても良いけど?…俺からすれば良いことだし」

「なっ……!?」


陸の発言にびっくりして、背けた顔を元に戻した瞬間――……

意地悪な笑みを浮かべ、あたしの後頭部を片手で引き寄せ……口を塞がれた。