地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ

顔を俺の方に向かせ、誰にも寝顔が見えないようにした。

絶対に見られたくねぇからな…俺だけの特権だし。


爆睡してる杏を抱きしめ直す。

ピクリと動き、胸に顔をスリスリして来た。


「ん゛〜……」

「杏?」


起きたのか?


「やァ……もう…っ…ダメ…陸っ……」


寝言??どんな夢見てんだよ。声まで色っぽいし…。


「うぅ……やっ……もう……」

さくらんぼ色の唇から、熱い吐息がこぼれ落ちる。


「…もう…っ……お腹いっぱい……ケーキ入んないよぉ……」



ガクッと肩を落とした。

まぎらわしい。お前の頭ん中は、食い物だけか?



「ん………陸っ……」


今度はなんだ?ケーキの次は、クレープか?プリンか??


「好きっ………大好き…っ…」


・・・・・・。反則だ。