1年の男子生徒が、感嘆の声を上げる。



「神崎先輩って……コンクールの常連ですか?」

「へっ?…全く!家でしか弾かないよ」


ケラケラと笑って返すと、全員目を見開いた。

あ…陸以外ね。



「神崎先輩なら、コンクール優勝出来ますよ!!出ないんですか!?」



あたしがコンクール…?

天地がひっくり返っても、絶対に出ないね!!



「う〜ん……コンクールって興味ないんだよね」

「もったいない……」



そうかなぁ…?別にピアニストになりたい訳じゃないし、楽しく弾ければ…あたしは満足♪



クラシックよりも流行りの曲とかの方が、好きだし…あたしは楽しいんだ。



「んー……親友と連弾出来れば、充分楽しいし…遊ぶのには困らないから」


ニッコリと微笑んだ。