頭の中…大パニックです。

キレイなお姉さんに抱きしめられるのは、イヤじゃないんだけど…。むしろ嬉しい。



ん……?なんか、前にもこんなことあったような…。

初めて咲さんに会った時も、抱き着かれたような…。


お姉さんは「可愛い!!」を連呼しながら…顔にスリスリしてくる。



「……杏返せ。クソババア」


どす黒い声を出して、陸がお姉さんをあたしからベリッと引きはがした。



「いやよ!!杏ちゃんちょうだい!!」

「ババアは親父のところにでも行けよ」




…………ん??

ババア??親父???



どういうこと????




「あずさ、陸。やめなさい」


クスクスと笑いながら、こちらに一人の男性が歩いて来る。



「すまないね、あずさが暴走して」


ニッコリと微笑まれた。