愛の、19歳の誕生日。


「オレ、今日家に帰ろうと思ってるんだけど、……会えるか?」


思い切って、愛に電話をかけた。


「会える」と言ってくれたら、オレが、愛の夢を叶えてやる。




今日はクリスマスイヴ――。


乙女なら、好きな人に会いたい日――なんだろうから。




『……うん』


緊張している耳に、愛の想いが届いた。


「じゃあ、今からアパート出るから、2時間くらいしたら行くよ」


オレは逸る心を抑えきれず、部屋を飛び出した。