異性に抱き締められるのは初めてのコレー。 どうして良いか分からない。 一体この男は何者なのか、 いくら考えても分かるはずもなく――― 「コレーよ、愛しき我が花嫁――」 男の低い声が聞こえたと思えば、コレーはすぐに意識を失った。 大地の裂け目は、馬車が闇の中へ消えると共に塞がっていく。 それは、ほんの一瞬の出来事―――