幸は一度私を ゆっくり抱き締めてから 私の目線の高さまで腰をおろし、 優しく言った。 『どうした?言ってごらん?』 『…ストック…落としちゃった』 『…そっか。どこらへん?』 『あの森らへん…』 私は指をさした。 『…よしっ。 じゃあ取りにいくか。 ちゃんと待ってろよ』 『えっ…?私も行くよ!』