『…真里っ!』 聞き覚えのある声が 外から聞こえた。 ちょうどそのとき 私は このままじゃいけないという 気持ちがよぎり、 勢いよく外に出ようとした。 が、大人の男が大勢。 しかも いきなり外から 誰かの声がしたから、 危険を察知し その力は増して 私が反抗しても無駄だった。 そしてそいつらは、 力いっぱい車のドアを しめようとして、 一人が私の口を 布でおさえた。 …だけど。 その声の主の方が 一歩早かったようだ。 …幸?? 私は自分の目が閉じていきそうに なりながら、そう感じた。