記憶 ―夢幻の森―


「だから、君が友達になってくれたら嬉しいんだが…」

「もう、友達ですよ?」
『なぁッ!』

俺のその言葉にコンも同意したが、セイジさんは静かに首を振る。


「心を許せる、本当の友達という意味だ…。」

セイジさんは、俺を見つめた。
先程から時折見せる、全てを見透かすような視線で…


「私は、人間学者。この世界の人間に『金髪で緑の瞳』は、存在しない…。」

「……!!」


あぁ…
そうなのか…



ワンッ!
『どういう事だよぉ!キースッ!』

「パパぁ?どういう事…!?」

振り返ると、ハルカとユリネさんが立っていた。


立ったまま、そうセイジさんに問うハルカに、


「まぁまぁ、お座りなさいよ?ハルカ…。」

と、ユリネさんはお茶をテーブルに配りながら、落ち着いた口調で言った。


あぁ、ユリネさんも知っているのか…。
人間学者か…、
誤魔化すのは到底無理だろうな。


「おそらく、記憶喪失も嘘だろう?…話してくれないかな…?」

あぁ…


「嫌われるのは…、俺の方かもしれないな…。」

俺はハルカを見て、ふっと笑った。


…少し、悲しいな。