玄関にポツンと1人残されたわたしは兄貴の後を追うようにフラフラと外に出た 兄貴のあまりの剣幕に逆に心配になってしまった 当然、猛スピードで走っていった兄貴の姿は影も形も見当たらなくなっていた 小走りでさっきの場所に向かいつつ だんだんと不安になってくる 街灯の薄明かりに静まり反った夜道 家で待ってればよかった さっきの痴漢がまだいたらどうしよう…… 心臓がバクバクしてきた その時 「うわぁあああ!」 角を曲がった先から男の叫び声