先生の手元のボードにはそのストップウォッチで計った私のタイムが載っていて、先生はそれを見せながら

「いや、確かにアップダウンもあるし、
正確には3kmぐらいで、ピッタリではないんだけどな」

私の出席番号の横にあるタイムは11分代。

「県大会出れるレベルだぞ」

は?


脳内をクエスチョンマークで埋め尽くされ、思考を停止した私の後ろを、
ようやく今2番手の女子が通っていく。




後で分かったことだけど、
陸上には高地トレーニングと言うのがあって、
酸素の薄い所でトレーニングすると心肺能力が格段にアップする。…らしい。

私は生まれた時からずっと高地トレーニングをしていて、
低地に来たから記録がすごくなった。

それだけのことだったそうだ。