来てしまった。
五十嵐の残していったメモの住所には、
『五十嵐』の表札のある一件家が有った。
門も、奥に見える家も、古めとは言えいたって普通だが、
その間にある庭が、
何と言うか…、
その、
鬱蒼としている。
そこだけ今時なインターフォンを押すと、しばらくして年配の女性と思しき人が出た。
「あの、五十嵐…」
そこまで言って、下の名前を知らない事に思い当る。
「…くんの同級生で、神山と言います」
「ハイハイ。誠太郎さんからうかがってますよ」
インターフォンの女性は明るく応えた。
そうか、誠太郎って言うのか。
「今、鍵あけましたから、どうぞ」
声と同時に門からカチャリと音がした。
え?あれ?待って。
この中を…ひとりで行くの?
私は濃い緑が香るその庭を呆然と眺めた。
五十嵐の残していったメモの住所には、
『五十嵐』の表札のある一件家が有った。
門も、奥に見える家も、古めとは言えいたって普通だが、
その間にある庭が、
何と言うか…、
その、
鬱蒼としている。
そこだけ今時なインターフォンを押すと、しばらくして年配の女性と思しき人が出た。
「あの、五十嵐…」
そこまで言って、下の名前を知らない事に思い当る。
「…くんの同級生で、神山と言います」
「ハイハイ。誠太郎さんからうかがってますよ」
インターフォンの女性は明るく応えた。
そうか、誠太郎って言うのか。
「今、鍵あけましたから、どうぞ」
声と同時に門からカチャリと音がした。
え?あれ?待って。
この中を…ひとりで行くの?
私は濃い緑が香るその庭を呆然と眺めた。