「あと、」
五十嵐が続きを言おうとしたその時、

キーンコーンカーンコーン

予鈴が鳴った。


「あ、」
スピーカーを振り返る五十嵐に

「次、実験だったよね?」
話はお終いとばかりに化学の準備を始める。

「うん。じゃ」

五十嵐は勢いを失って帰っていく。

ちょっと可哀想だったかな?

でも私のせいじゃないよね?


ちょっとした罪悪感を抱えながら、
その日、その後、
五十嵐と話すことは無かった。