ドキドキパニック

ご飯を食べ終わって、今は10時ちょっと前。



「あの、あたしちょっと…」



お手洗いに…




『どうぞ?』



黒崎課長は笑顔で対応してくれて。大人だなぁーって思った。




あたしが戻ってくると、



『じゃぁ、行こうか。』



黒崎課長は会計せずに店を出た。



えっ!?



「課長っ!!お会計っっ」



『大丈夫、もう払ったから。』



へっ!?



「ぁ、じゃぁあたし払います!」



財布を出そうとする手を、黒崎課長が止めた。




『お金はいいから。送るよ。車じゃなくて悪いけど。電車だよね?』



「はい…じゃなくて、えっと、でも…」



『んー、じゃぁこう言えば良い?…俺が払いたいんだ。だから、ね?』



そんないきなり真剣な顔して言われたら…



「…はい。ごちそうさまでした。」




やばい。あたし今絶対顔真っ赤だ。


『ん。じゃぁ帰ろう。』



今が夜で良かった。
こんな顔、絶対見せられない。