言うべきではなかった。

戸惑うような表情を見せたルイに、チャーリーは内心つぶやいた。

ルイにとって、気づかれたくない感情だったのだろう。

あるいは、気づきたくない感情。


「……そんなことを言われたのは、初めてですよ」

「気を悪くしたら、ごめんな」

「いいえ」


ルイが、首を振る。

思いがけず、ルイの口元に笑みが浮かぶのを、チャーリーは見とれていた。


「こんなに、私のことを見てくれる人がいる、というのは、幸せなことです」