豪華な客船の上で、ルイとチャーリーは空を見上げた。
雲ひとつない、晴れた空。


「……吸血鬼って、日光に弱いんだと思ってた」

「そんなんあるわけないやん。俺クリスチャンやし、ガーリックトーストかて大好物やで」

「あんな目にあって、よく、信者でいられますね」

「あんなぁ、ルイ。いつだって、罪や罰を考えるのは人間なんやで。神様は、俺みたいな異端者がこの世界にいたって、何にも、気になさらない。だからこうして、ルイとも出会えたんやろ?」


チャーリーが、笑う。
その笑顔と、永遠にいられることを、ルイは幸せだと、思う。


「……そういえば」

「ん?」

「いつから、私が女だって気づいていたんですか?」