その笑顔に、チャーリーはつかの間見とれていた。

きれいだ、と、思った。


「私の名前は、ルイ、と言います」

「めずらしい。神父さんなのに、洗礼名を言わないんですか?」

「友達になれそうな方には、ファーストネームを伝えることにしています」


言って、また、ルイがほほ笑む。


「あまり、優秀な聖職者では、ないんです」


動悸が、上がった。

かすかに聞こえる、警戒のシグナル。

だがそれ以上に、歓喜の思いが強かった。


友達になれるなら、ルイは、魅力的だ。


「友達、ですか?」

「失礼ですが、あなたはチャーリー・デビットソンさんでしょう?若くして財を築いた、この街の名士だ。あなたと親しくなっておけば、この教会も安泰だっていう打算もありますよ。もちろん」

「よくご存じですな。確かにそのチャーリーです」