「どうしたんや、ルイ」

支えようとしたチャーリーの手を、ルイが、はじかれたように後ずさって、避ける。


「ルイ?」

「私に触らないで下さい、チャーリー」


チャーリーから逃げるように、二人きりになった教会でルイは出口の扉に向かった。


「どうしたんや、ルイ」

「お願いですから、今日は帰ってください」

「ルイ!」


チャーリーの声に。
ずっと目をそらしていたルイが、やっと、チャーリーを見る。
その双眸に浮かぶ恐怖に、チャーリーの心が凍りついた。

ルイが、チャーリーを恐れている。
今までの、チャーリーが倒してきた神父達や、犠牲にしてきた人々と同じように。


「……怖いんか?ルイ」

「チャーリー」

「言うてみ?怖いんやろ?吸血鬼の俺が」