なんでわざわざ家の近くのコンビニに車を止める必要があるんだろう。


水樹さんが考えてることがまったく分からなくて、理解に苦しむ。




「柚ちゃん。俺さ、ちょっと電話するから静かにしてもらっててもいい?」



「あ、はい、どうぞ」




なるほど。水樹さんは電話したかったんだ。


だからどこでもいいから車を止める必要があったんだね。


やっぱり夜遅くなったから、由梨さんに連絡でも入れるのかなあ?


そんなことを呑気に考えていると、水樹さんは電話がつながったらしく、明るくその人物の名前を口にした。




「もしもーし、今大丈夫?仕事終わった?今さ、ちょうど近くにいるんだけど出てこれる?

――朔夜!!」



「って、ええ!?」




驚きで思わず声が出てしまう。あたしは慌てて口を押さえるけど、水樹さんに人差し指を口に当てて、静かにというジャスチャーをされてしまった。




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