まだ近くに、将大がいるんだ。 私は携帯を投げ捨て、ソファーから立ち上がる。 もう立派な人間だ。 生気のない時計を横目に、ボロボロのコートを羽織ると、一目散に玄関へと向かった。 もっと早く気づくべきだった。 将大はあんなにも優しいのに。 甘えてばかりの自分が、どうしようもなく嫌いになった。 私は下はスウェットのまま、キャラクターの薄汚れたサンダルを足に引っ掛け玄関扉をあける。