帰りに玲子に声を掛けられた・・

「信也・・良ければ飲みにいかない?」

「・・・」

「安心して、変なこと考えてないし、嫌なならいいわよ!」


普段なら警戒して断るがこのとき俺は千佳に対して複雑な心境で昔の知り合いと酒を飲む程度に考えてOKしてしまった。




行き先は玲子お勧めのホテルのバーだった・・


酔わない程度に飲んで帰れば問題ないだろう・・


「ねぇ・・どうしたの?元気ないわね?」


「別に・・」


「信也はどうして奥さんと結婚したの?」


「・・・祖父の紹介と親の勧めでさ・・初めはいつか離婚と考えていたけど・・今は大事にしたいんだ・・」


「ふーん・・ねぇ・・もしあのとき私がプロポーズをOKしてたら私たち結婚していて奥さんと出会うことも好きになることもなかったのよね?」


「・・・・・」

確かにそうかもしれない・・でも・・千佳と結婚して彼女が気になる・・


それに果たして、玲子と結婚して幸せだっただろうか?

もしかして千佳にも結婚前にそういう男がいたのか?あのときの男はそういう・・


そう思ったら何杯かおかわりをして酔いが回ってきた・・

これを飲んだら帰ろう・・最後に少し飲んで立ち上がる・・


「ガタン!」

あれっ?結構酔ったか?

「大丈夫?」

玲子が声を掛ける・・


「ああ・・ちょっと酔ったな・・」


「少し眠って休んでいればいいわ・・ここのお店はたまにサービスいいのよ!」


「そっかちょっと休む・・」

俺はそのまま寝てしまった・・

そのときの玲子の笑みに気がつかず・・