ある喫茶店で、一人の女性が俯き、もう一人が顔を上げている。


「・・・・申し訳ありませんでした・・知らずにいたとはいえ・・」



「もういいんです、顔をあげて下さい」

そう優しく、言うのは千佳・・

俯き、怯える声で謝罪するのは、まことの元妻さおり。




今日ここにいることになったのは・・千佳が高谷の弁護士に頼んで、さおりを呼び出してもらったからだ・・


さおりからすれば、きっと罵声か、高額な慰謝料要求だと思ったのだろう・・・

今は子供もいる・・そのこもつらい思いをさせてしまうと怯えていた。



「貴方を訴えにきたわけでもありません。貴方は悪くないんですから・・・」


「でも・・・お腹を子を・・弁護士さんから聞きました。別れた夫が女と酷いことしたせいで亡くしたと・・・離婚にまでなったと・・・」