後悔の後・・

まことが玲子から愚かな頼みでさえ嬉しく思ったとは・・それほど好きだったのか？


「玲子からお前が彼女にプロポーズしたことを聞いた・・断ったと聞いたときはどこか嬉しかったけど、それなのにお前が結婚したことがショックだと聞いたときはなんでと思ったさ・・それから時々会いたいといわれてさ・・妻ともうまく言っていなかったし・・もちろん不倫関係はない・・玲子の呼び出し、話の内容はお前と奥さんのことばかりが多かったよ・・それからお前と再会したこと、まだお前が玲子に未練があるとか奥さんとうまくいっていないからとか、いろいろね・・千佳さんに嫌がらせみたいなことをするのは最初は断った・・・だけど、酷い奥さんだとか、向こうもわかれるきっかけを探してるとか、いろいろ聞いていたらね・・玲子に惚れていたせいで良い事と悪いことの判断もできなかった・・少し懲らしめるくらいならと愚かにもこころが傾いた・・そして、父親の会社の力、コネを使って実家の工場に手助けもしてくれる多少礼も払うとまで言われた。

　玲子に初めて必要されたことのほうが大きかったのかも知れないな・・・・でも・・奥さんが死に掛けて流産したと聞いて・・俺はただ利用されたことなんだと気づいたんだ。気づいたときには遅かったけどな・・・」