「ったく……さっ、帰るぞ」


「え?」


「いつまでもこんな所に居たら風邪引くだろ?」


「……うん」




そして私たちは、そのまま歩いて家へと帰った。


家に着くまでずっと、奏多は私の手を握り締めていてくれた。




奏多とつないだ手は、今までで一番温かく感じた。


その時私は、ずっとこの手を離したくない。……そう思った。