「……え?」


「兄貴と結婚したことで、兄貴の信頼を失うかもしれない。……そう思ってたんだと思う」


「…………」


「だから梢は、兄貴のことを一度も責めなかったんだと思う」


「……え?」


「全部自分が悪い。兄貴はなんにも悪くないんだってみんなに言ったんだ。……だから、梢を責めないでやってくれ」




その言葉のあと、電話が切れた。