「喋らなくていい。……ムリして喋らなくていいから」


紫音君は私を抱き締めた。




「グスッ……わ、私……」


言いたいことはたくさんあるのに、そこから先の言葉が出てこない。




「……いいから。ムリして喋らなくていい。だから落ち着け」


紫音君はそう言って私をギュッと抱き締めた。




「グスッ……うん」